清雅堂
300年ほど前、この弥彦山近郊に良質な銅が採掘されました。
伝統技法「鎚起」のルーツとなる弥彦山の麓に、清雅堂は工房をかまえています。
「鎚起」
一枚の金属素材を様々な種類の鎚(つち)と当て金(あてがね)を使い、打ち延べ、打ち縮めて製品を作りあげる伝統技法「鎚起 - ついき」。
明和年間(1764~1771)、新潟県の日本海側中央に位置する弥彦山に間瀬銅山があり、産出された銅の精錬が隣街の燕市で行われました。その頃、鎚起銅器の技術が宮城県仙台市の職人によって伝えられ、鍋や藥缶、煙管などの製造が始まったとされています。
耳口打出 湯沸
湯沸かし
一枚の金属板から生まれる至高の造形美
鎚起の最高峰となる技術から作り上げる
《 継ぎ目の無い美しい湯沸かし 》
湯沸かし
「鎚起」の歴史の中で、やかん=湯沸かしの製造が盛んに行われ、多様な形の湯沸しが生み出されてきました。
「鎚起 - 鍛金」の技術を駆使し、一枚の金属板から作り出される湯沸しの最高峰【耳口打出 湯沸 - みみくちうちだし ゆわかし -】
耳 = 鉉(取っ手)と本体の合わせる部分
口 = 湯の注ぎ口
一般的なやかんやケトルの製造方法は、耳と口はパーツとして別々で作り、本体に溶接して作ります。「耳口打出」は、一枚の金属板を金鎚で〈打ち絞り〉、立ち上げ部分の径を小さくしていく中で、「口」「耳」を残しながら成形し、本体を完成させる希少な伝統技術です。
錫酒器
錫酒器
柔らかく、まろやかな口当たり。日本酒との相性がよい「錫の酒器」
清雅堂の錫酒器は、鍛金ならではの張りのある柔らかなフォルムが特徴です。
錫の特徴
錫は、水を腐らせにくくする性質があるとされ、古くから水の浄化や保存に適した特質な素材として500年以上も前から扱われてきた歴史があります。
近年、日本酒の酒蔵・杜氏や蔵人に錫製の盃が「日本酒をまろやかに味わえる」と注目されています。醸造する際に生成されるフーゼル油の雑味を錫の作用で和らげるとされ、蔵元から酒屋、料亭まで日本酒を楽しむアイテムとして注目されています。
清雅堂の錫製品は、主に酒器として製造しています。鍛造ならではの手に馴染むフォルムと、幾度となく叩き仕上げる張りと光沢を感じる酒器を日本酒と共にお楽しみください。